今回、海川釣り初心者の方にお贈りするのは、クロダイ(チヌ)の落とし込み釣りに使われるエサについての解説です。
落とし込み釣りに使われるエサは多岐にわたります。
そこで、ここでは代表的な使用されるエサを解説しようと思います。
色々な種類のエサが使われていますが、シーズン内の各時期で使うエサが違います。
もっと言えば、その日その日でエサが違って来る状況もあります。
つまり、今現在チヌがエサとして何を求めているかを見極めなければ、見当違いな釣りになり、1尾も釣れないなんて事もあり得ます。
落とし込み釣りと前打ち釣りとで使うエサが多少違いがあります。
大きく分類すると、カニ類、貝類、その他となります。
では、順番に見てゆきましょう。
初心者必見!海川釣り チヌの落とし込み釣りのエサ カニ類

岩ガニは淡水の混じる内湾の河口付近の泥地に生息し、石や岩の陰に潜んでいます。
通称、岩ガニと呼んでいますが、和名はケフサイソガニと言います。
岩ガニの有効シーズンは梅雨の時期から晩秋頃までで、カニ餌の中では一番長く使えます。
エサとして、柔らか過ぎず、硬過ぎず、カニ餌の中では最も使いやすい。
落とし込み釣り
片側の足の一番下の足の付け根から刺して上の足に向けて固定させる横掛けが一般的で、そのまま壁面に沿って落とし込みます。
たまに、アイナメやカサゴが食って来る事があります。
前打ち
前打ちではカニのハサミと足が良く動く様に尻掛けにします。
そして、カニを底の石や岩、テトラにしがみつかせたり、はがしたりして、カニが遊泳している様に演出して誘いをかけると効果的ですよ。
和名をコメツキガニといいます。
河口付近の砂泥地から砂浜に巣穴を掘って生息しています。
良く似ている仲間にスナガニがいますが、こちらは体色が白っぽく、コメツキガニは体色が黒っぽいので、そこで区別できます。
両方ともクモに似ている事から通称クモガニと呼ばれています。
クモガニは柔らかいので、まだ水温が低い春先の時期に効果があります。
しかしながら、柔らかい為にエサ取りには弱い一面もあります。
前打ちでは尻掛けにし、落とし込みでは横掛けにします。
落とし込みの場合、カニが壁面にしがみついてしまうのを防ぐため、足をカットする事があります。
その場合、小型のものは2~3尾ハリにつけても良いと思います。
落とし込みのエサとしては、一年中使えますよ。
和名イソガニ。
防波堤(波止)の潮間帯やイガイの群集の中に生息しています。
はっきりとしたまだら模様が特徴です。
類似種にヒライソガニがおり、イソガニと同じ様な場所に生息している事から、どちらも防潮ガニと呼ぶ地域もある様です。
防波堤(波止)にこのカニがたくさん発生しているのを見たら、使うと良く食って来ますよ。
この防潮ガニは弱ると黄色い液を出して、他の元気なカニを弱らせたり、死なせたりするので、こまめにカニ桶を見た方がいいですね。
ハリの刺し方は、岩ガニと同じで大丈夫です。
和名ヤマトオサガニ。
内湾の河口や干潟の泥地に巣穴を掘って生息してます。
このカニは柔らかく、低水温でも活発に動くので、春先から良くエサとして使われます。
盛期にもエサとして使う釣り人も多い様です。
このカニは非常に生命力が強く、カニ桶の中の他のカニが死んでも、このカニは元気に生きている事が多いです。

このカニはとにかく元気で水中でも良く動くので、盛期には落とし込み釣りだけでなく、テトラの間で穴釣りのエサとして使っても良く食いますよ!
初心者必見!海川釣り 落とし込み釣りのエサ 貝類

日本に生息するイガイの仲間の種類は70種類以上と言われています。
通常、エサとして使うのは、和名ムラサキイガイ。
内湾の防波堤(波止)などに生息しています。
通称カラスガイと呼ばれます。
使い方はツブと呼ばれる1枚掛けとダンゴと呼ばれる房掛けがあります。
ツブで使うならば、指で簡単に潰れてしまう位柔らかいものを選びます。
だいたい1㎝~3㎝くらいの大きさが使われる事が多いです。
ハリに刺す時は、足糸と呼ばれる糸をカットして、貝がクルクル回らない様にします。
一説には貝の表面を綺麗に磨くと食いがよくなると聞いた事がありますが、残念ながら筆者に関してはその実感は得られていません。
ダンゴ掛けで使う場合、1つ5㎜位の貝がお互いの足糸でつながっている状態で使います。
どちらかと言えば、ツブよりもダンゴの方が食いが良いと思います。
しかしながら、盛期には貝も良く育ってしまい小型の貝はなかなか手に入らないのが難点です。
初心者必見!海川釣り 落とし込み釣りのエサ その他
フジツボも種類が多いですが、エサとして使うのは、シロスジフジツボです。
内湾の堤防や船の係留ロープ、貯木場の原木に付着している白くて柔らかいフジツボです。
同じ様な場所に生息する紫の筋が入っているタテジマフジツボもいますが、こちらはエサとしては少々固いので、使いにくいです。
有効シーズンはイガイが防波堤(波止)壁面から落ちてしまってから初秋までの間です。
この時期フジツボがエサとして有効な理由が、好物のイガイのシーズンが終わった事で代わりにフジツボを食うようになるからです。

この時期釣れたチヌをさばくと、胃の中にフジツボがたくさん詰まっている事が多いです。
ハリの刺し方は、底から刺して頂部の穴から針先を出します。
小さなフジツボは2~3個ハリに付けます。
イソギンチャクも種類が多いですが、エサとして使うのは、砂泥地で貝殻などの上に付いて生息する茶色のものです。
堤防などに付く緑色のものは使い物になりません。
有効シーズンは、梅雨が終わり日照りが続く様なときにに効果があります。
小さいものは、そのままハリに付けます。
大きいものはハサミでカットして使います。
カットした時に腹わたが出てきますが、これはチヌの好物なので、取り除かない方がいいですね。
なお、カットした残りはカニ桶には入れない方がよいです。
別の容器に保管しないとカニが弱ってしまうからです。
イソギンチャクはどちらかというと落とし込みの方に向いてますね。
落とし込みや前打ちで使う虫エサは、イチヨセとマムシが有効と言われてきました。
イチヨセは、和名スゴカイイソメ。
海岸の砂泥地に貝殻や海藻などを袋の周りに付けて生息しています。
地方によっては、フクロイソメ、ミノムシと呼ばれます。
ハリに刺す時は、ハリオモリにはせずに、エサをハリのチモトまでたくし上げて1~2㎝たらします。
マムシは、和名イワムシ。
大型の虫エサで、潮間帯の岩と砂泥地混じり合った場所に生息しています。
古くから釣り餌として使われてきました。
虫エサの特徴としては、早合わせはしない方が良いですね。
アタリがあれば、少し送り込んでから合わせます。

活きエビとして使われるエビは淡水のシラサエビ(スジエビ)、海水の海エビ(ウタセエビ)などです。
有効シーズンは、低水温の冬場から春の乗っ込みが終わるころの時期と梅雨の淡水が入り込んだ時期ですね。
ハリには鼻掛けとチョン掛けがあります。
鼻掛けの方がエビが良く動くので、魚へのアピールが大きいですね。
どちらかというと、前打ちの方で使う事が多いです。
エビも虫エサと同じく、アタリがあっても少し送り込んでから合わせるのが良いですよ。
初心者必見!海川釣り チヌの落とし込み釣りのエサ まとめ
今回はチヌの落とし込み釣りに使う主なエサをまとめて見ました。
多くの種類のエサを紹介しましたが、その日にどのエサが当たるか分からないので、複数のエサを用意するのが良いかと思います。

