今回、海川釣り初心者の方にお送りするのは、防波堤(波止)での釣り方の中からスズキのエビ撒き釣りをご紹介いたします。
エビ撒き釣りは、以前クロダイ(チヌ)釣りでご紹介しましたが、今回の対象はスズキです。
スズキ自体は1年を通じて釣ることが出来ますが、このエビ撒き釣りでの盛期は3~6月と9~11月です。
スズキのエビ撒き釣りは、いかにエサとなるエビの元気を保つか、いかにスズキの目の前にエビを届ける事ができるか、いかに頃合いを逃さず釣るか、いかに自分で決めた釣り場で釣りきるか、といったポイントを押さえてやる釣り方なんです。
では、順番に見てゆきましょう。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止) スズキのエビ撒き釣り タックルとその他の装備

・タックル
竿は磯竿の1.5号で5ⅿ前後のものが扱いやすいです。
あくまでも80㎝以上の大物狙いだという方は、磯竿2~3号と装備を整える事をお勧めします。
リールは、深めのタナや遠目のポイントを狙う場合などの操作性を考慮するとスピニングリールがお勧めですが、スズキとのやり取りをより楽しみたいという方は、両軸リールの方がお勧めですね。
・ウキとオモリ
ウキは、基本の仕掛けとしては、0.8~1号のオモリに合うもの。
オモリは、クッションゴム付きのものがありますが、個人的にはおすすめしません。
クッションのせいで、アワセがしっかりとしないからです。
・ハリス
ハリスは2号。
1ⅿ弱程度あれば良いかと思います。
ハリスの途中で、ガン玉2号をかませると、エサのエビが水面ばかり泳ぐのを防げます。
・ハリ
ハリは活きエビ専用バリ8~9号。
軸が細いのが特徴で、それにより海中でのエビの活きが良くなります。
・タモ網
タモは枠径が45㎝以上欲しいですね。
長さは5ⅿ位あれば十分だと思います。
・エアポンプ
釣りをする間、エビを元気に保つ為の専用容器にエアポンプをセットしたものが欲しいですね。
・ライト
1番の狙い時である、朝マズメと夕マズメでの釣りをスムーズなものにする為に欠かせません。
・クーラーボックス
魚を釣った後で必要となりますが、それだけでなく、ドリンク類を入れたり、腰掛けにもなります。
荷物がかさばるのを嫌う方は、ストリンガーがお勧めです。
ストリンガーを使う際は、10ⅿ位のロープも必要ですね。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のスズキ エビ撒き釣り 釣り方

エビ撒き釣りは、探り歩く釣りではなく、釣り座と決めたその場所に撒き餌をして魚を寄せる釣り方です。
まずは、釣り座を決めたら潮の流れの方向を確認しましょう。
潮の流れの方向によって、撒き餌をする場所が違ってくるので、そのためにも流れの方向はしっかりと見定めたいですね。
自分の釣り座の前に魚を寄せる為、ここと決めた場所に撒き餌をしますが、その場所は具体的にどこでしょうか?
一般的には、釣り座の前10ⅿ位の幅がポイントとなり、潮上に仕掛けを投入し、そのまま潮下に10ⅿ位流します。
その中で、仕掛けを投入する場所から2ⅿ程潮下に撒き餌をします。
最もアタリが出やすいのは、仕掛けを投入した場所から6~7ⅿ程流した所ですね。
スズキの食いが立って来ると、撒き餌を撒いた場所にどんどん寄って来ますよ。
次に、撒き餌をする場所が決まったら、エビを10~15匹程撒き、それを3~4回繰り返します。
その間は、まだ仕掛けは投入せず、静かに魚の寄りを待ちましょう。
ここで、注意点ですが、最初に撒くエビは、手で軽く握って気絶させます。
これは、エビが勝手に方々に泳いで行かない様にするためです。
スズキを寄せるために撒いているのに、方々に泳いでいかれては、スズキがエビを追って方々に散ってしまいます。
十分にエビを撒いた後、仕掛けを投入します。
その際、毎回5~6匹のエビを撒いてください。
とにかく、手を抜かずエビを撒く事がキモです。
・タナの決め方
タナの基本は、水深4ヒロ程度ならウキ下は3ヒロ、水深3ヒロ程度ならウキ下は2ヒロ、つまり、海底から1ヒロ程度上方に設定するのが基準とされてます。
ただし、水深1ヒロの浅い場所でもアタリがくるので、水深の浅さに合わせてウキ下を調節しましょう。
・仕掛けの流し方
流し方は1度の流しごとに誘いをかけます。
竿の操作で、仕掛けを少し引いてやるか、竿を少ししゃくり上げて手前に寄せるかして刺し餌のエビを海中で躍らせる様にします。
・刺し餌の刺し方
ホオ掛け、鼻掛けが理想ですが、この刺し方は慣れないとむずかしいですね。
ハリを刺す部位的にエビをダメにしてしまうからです。
筆者もビギナーの頃は、見よう見まねでやって、かなりエビをダメにしてしまいました。
最初は、釣り場にいるベテランの方に教えてもらうのが1番だと思います。
礼儀正しく、丁寧に話しかければ、たいていは親切に教えてくれると思いますよ。
場合によっては、話しかけた事がきっかけで、その釣り場でよく顔を合わす釣り仲間に発展するかもしれませんね。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のスズキ エビ撒き釣り アタリから取り込み

3~4月のまだ水温が低めの時期はスズキの活性も低いので、少しにぶいアタリが多いですね。
ウキがほんの少し押さえつけられる程度のアタリが多いのですが、そこで誘ってやると一気にウキが消し込む事があります。
その際、早合わせはせずに、数秒送り込んでからアワセた方がいいですよ。
5月以降、水温が上がりスズキの活性も上がって来ると、アタリもウキがクンッ、クンッと動き、前アタリが来る様になって、その後ウキが一気に消し込む様なアタリになってきます。
こちらのアタリも数秒送り込んでからアワせるのがいいですね。
そして、この活性の高い時期に渋いアタリが来ると、それは大物の可能性があります。
スズキのアタリは、大型になるほどウキに出るアタリは渋いんですよね。
具体的には、ウキがほんの少し押さえつけられてそのまま動かない状態や潮の流れに逆らってウキが止まる状態などですね。
めでたくハリに掛けることが出来、取り込みに至った時は、竿を立てて、決してラインを緩めない様にしましょう。
引きの強さやスズキ名物のエラ洗いに対抗するには、竿先だけで裁こうとせず、場合によってはラインを一旦出したり、足を動かしてスズキの動きに合わせて移動する事も有効ですよ。
そして、スズキが疲れて水面に浮かんで来たら、タモ網を準備してスズキの頭からすくいましょう。
この時のコツとしては、スズキの頭が網に入った瞬間にラインを緩めると安定してすくえますよ。
さらに、スズキを陸に上げた時の注意点です。
決してスズキを素手でうかつに触らない様にしてください。
スズキのエラは両方とも鋭いカミソリの様になっているので、タオルなどで包んでからハリをはずすのをおすすめします。
それなりの型のスズキを釣った後は、ハリスをチェックするのを忘れずにやった方が良いかと思います。
強烈な引きにエラ洗いなどによって、結構傷が入ってたりします。
そんなハリスで、もしまたスズキが掛かれば、ハリスを切られる可能性が高いからです。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のスズキ エビ撒き釣り まとめ
今回は、防波堤(波止)でのスズキのエビ撒き釣りを解説しました。
いかがでしたでしょうか。
最後に、エビ撒き釣りは生きたエビをそのまま撒き餌として使い、スズキを寄せる釣り方です。
よって、何よりもエビを大切に扱い、元気でいてもらうことが大事な点なんです。
あとは、スズキのエビ撒き釣りは下げ潮の方が向いていると言われますね。
それは、エビが散りやすくて、結果、集魚効果が高いと考えられているからなんです。
では、今回はここまでです。

