今回は比較的身近な釣り、気軽に出来る釣りのご紹介です。
初心者の方がこれから始める海釣り、川釣りの中でも入門として最適な釣りだとおもいます。
釣りに行く準備の楽しみ、釣り上げる楽しみ、持ち帰って食べる楽しみまでの解説です。
うまくお伝え出来れば嬉しいです。
では、ハゼ釣り解説を見てゆきましょう。
初心者必見!海川釣り ハゼ釣り準備

北海道南部から九州まで広く分布している魚です。
塩分の濃い外洋よりも、主に内湾や河口から潮の影響を受ける汽水域に棲息しています。
底が泥になっている場所を好み、プランクトンやゴカイなどの底にいる生物を食します。
冬に産卵期を迎え、泥底に穴を掘ってその中に産卵する。
産卵期は長く、産卵後に親魚は穴の周辺で卵を外敵から守る事で知られています。
1尾が産む卵は1万粒以上です。
かなり多いですよね。
ふ化した後稚魚は、砂浜に移動して波打ち際でプランクトンを食べて成長してゆきます。
成長は早く、秋には釣りの対象となるサイズに成長します。
成長の早い個体は1年で産卵し、そして一生を終えます。
よって、1年魚と呼ばれます。
中には産卵せずに1年以上生きる個体もいます。
その場合、20㎝位まで成長しヒネハゼと呼ばれます。
産卵期に入ると、雄の両アゴが角ばり、雌雄ともに下顎の下部が黒ずんできます。
この時のハゼのことを昔の関東地方では「ケタハゼがお歯黒をつけ始めた」と言われてました。

ハゼは夏から秋にかけて、積極的にエサを食べるのでハゼ釣りのシーズンと言われます。
一般的には全国どこでもハゼの名前で通用しますが、秋田でグンス、宮城でカジカ、北海道や北陸ではカワギスと呼ばれる地方名があります。
6月過ぎから、岸近くや潮の影響を受ける汽水域に遡上してきます。
上げ潮の時には陸の方を向いて、いっそう岸の方へ近づいてきます。
逆に下げ潮の時には沖の方を向いてしまう。
つまり、ハゼ釣りは断然上げ潮有利ですね!
ちなみに、水のきれいなところでは下げ潮の時にあらわになった泥底を掘るとゴカイが採れる。
泥底に無数に小さな穴が開いているところがポイントです。
筆者もエサ代を浮かせる為に、中学生の頃によくゴカイを採ってました。
ですが、ここで注意点です。
1つは、漁業権が設定されているところでは、ものを採取してはいけないということ。
もう1つは、潮が引いた後の泥底はやわらかく、うかつに踏み込むと足が泥にはまり込んでしまい危険だという事です。
中学生の時に一緒に釣りに行っていた友人が、ゴカイ採りに夢中になり泥底に首まではまったと語ってくれた事がありました。
その時は偶然通りかかった人達に助けられたそうです。
誰も通りかからなかったらと思うと、とても恐ろしいですよね。
ハゼは基本的に地形に変化のある泥底にいます。
さらに、底の凹凸や水門のあるところではその周辺など地形や水の流れに変化のある場所に集まります。
それはハゼのエサとなる水生生物が豊富にいるからです。
上げ潮で潮位が高くなると岸に寄り、下げ潮で潮位が下がると岸から離れ水位のあるところに移動します。
釣り場が比較的街から近い事もあり、普段着での釣行を良く見かけます。
ですが、自然の中での行動には違いないので、長袖、長ズボンが無難でしょう。
日よけの帽子や水面のギラギラを抑える偏光グラスもあるとなお良いですね。
タオルやビニール袋、小さなケガに対応する絆創膏、虫よけスプレー、虫刺され薬などもあると便が良いかと思います。
初心者必見!海川釣り 釣り方と道具

釣りの対象魚としてのハゼ釣りシーズンの始まりは6月~7月でしょうか。
しかし、この時期釣れる個体は、基本的に1年で生涯を終えるハゼですがそれを免れて越年したものなんですね。
いわゆる夏ハゼと呼ばれるもので本シーズンとは別のものです。
本命の今年産まれたハゼは、8月になると浅瀬や汽水域に群れをなしてやってきます。
が、この時の体長は5~6㎝位とまだまだ釣りの対象とはならないですね。
そして、9月になりいよいよ本シーズンとなります。
一般的には、彼岸の時期が最も釣れるシーズンのスタートと言われてます。
この時期には、1日100尾釣る人も珍しくありません。
10月に入ると徐々に深場の方へ移動を始め、汽水域にいたものは河口周辺に下って来ます。
この時期は陸からの釣りシーズン終盤となりますが、越年する個体が越冬に備えて荒食いする為まだまだ良く釣れます!
11~12月になると、深場に移動してしまうため船釣り有利になります。
数はあまり出ませんが、型は良いものが釣れます。
ハゼはかなり貪欲な魚で、ゴカイなどのエサを見つけると速攻で食いつきますが、丸吞みではなく端からかじり取る様に食べます。
エサを食べる時は夢中になってかなり無警戒で、良くハリごと飲み込んでしまいます。
数を釣りたい時は、ハリを外すのを手際よく行うのがポイントですね。
ここでは初心者の方に向けて、陸釣りを前提としてゆきます。
陸から釣りをする事を釣り人界隈では「おかっぱリ釣り」と言われていますよ。
ハゼの釣り方としては、リール竿を使用した投げ釣り、のべ竿でのミャク釣り、ウキ釣りがポピュラーです。
さらに、ここでは初めての釣りを前提としていますので、のべ竿のミャク釣りとウキ釣りに絞って解説していきますね。
ミャク釣りもウキ釣りも仕掛けがシンプルで簡単に初められます。
ミャク釣り
・仕掛けはシンプルで、ミチイト、ハリス、ハリ、オモリこれだけです。
・アタリが分かりにくいという方は、目印を付けると良いですね。
・オモリは中通し0.5号~1号。
・ハリは袖バリ2号。
オモリを中通しにするのは、ハゼがエサを食べた時に抵抗を感じにくく、食い込みが良いというメリットがあるんですね。
ハリは釣る対象のハゼが8~10㎝サイズの想定です。
ウキ釣り
・仕掛けは、ミャク釣りにウキを付けるイメージですね。
・ミチイト、ハリス、ガン玉、ハリ。
・アタリが一目瞭然で分かりやすい。
・ウキ下の長さに注意。
・ハリはミャク釣り同様です。
・オモリのガン玉はウキが沈み込まない重さ。
ウキ釣りのキモはウキ下の長さ調整です。
ウキ下が長すぎてエサとハリスが底を這うとウキにアタリの反応が出にくくなる。
ウキ下が短か過ぎると、エサが水中を漂いハゼがエサに気ずいてくれない。
ここではのべ竿を使用する解説です。
狙いたいポイントによって竿の長さを調整します。
もしくは、おのおのの釣り場所に必要な長さで判断します。
一般的には、近場を狙いたいときは2m弱~3m弱、沖の方を狙いたいときは4m弱~5m位の竿を使用します。
竿の調子は、8:3もしくは7:3などのいわゆる先調子の物がアタリを感じ取りやすくて良いですね。

筆者の初めてのハゼ釣りは、3m位の竹竿でしたね。
1日で15尾釣れて、とても楽しかったのを今でも覚えてます!
あと、忘れてはいけないのが釣れた後その魚をどうするかですね。
本当にご近所の方は、バケツに水を張って持ち帰れるかと思いますが、一般的には、魚を保管するビクやクーラーボックスがあると良いですね。
中に氷を入れておくと魚が痛まないですよ。
氷はわざわざ買わずとも、ペットボトルに水を入れて凍らせておくと便利ですね。
エサはハゼの摂食事情を考えると、アオイソメやジャリメを使用するのがポピュラーです。
アオイソメに比べてジャリメの方が体が小さいです。
このゴカイ類は初めての方はかなり衝撃を受けるかもしれません。
なにせ、グロテスクなんですね。
慣れた釣り人は、これを素手でつまんでハリにつけるのですが、初心者の方の中には素手で触るのは生理的に無理な方もおられるかもしれません。
その様な方は、あらかじめ釣具店でエサ掴み(小型のトング)を用意すると良いですね。
あと注意点ですが、アオイソメは口に鋭い歯の様なものを持ち指に嚙みついてきます。
嚙まれると結構痛いですよ(笑)
ハリにはチョン掛けします。
口からハリを通して、長すぎる部分はカットします。
通常長さは、ハリから1㎝位で良いと思います。
このエサのハリからの長さの事をタラシといいます。
ハゼの食いつきが悪い時は、エサの硬い頭の部分は避けて柔らかい部分を使うと良いですね。
初心者必見!海川釣り ハゼ釣り実釣

ミャク釣り
・ミチイトの長さは、竿の穂先から竿尻までの長さにすると扱いやすいです。
・ミチイトを上記の長さにすると、仕掛けがちょうど手元に来るので仕掛けの投入や魚の取り込みがしやすいですよ。
・仕掛けの投入は、振り子の様に振り出すと楽に出来ます。
・仕掛けが底に到着したらイトはあまりピンと張らずに、なおかつあまりダラリと緩め過ぎない程度でアタリを待ちます。
・そのポイントにハゼが居たら、割と直ぐにアタリがあると思います。
・アタリが来ないときは、竿を少し持上げて仕掛けを一度浮かせてからまた底に沈めてハゼを誘います。
・それでもアタリが来ないときは、一旦仕掛けを回収して別のポイントに投入してみましょう。
・基本的にハゼは密集しているので、1尾釣れたら同じ場所を集中的に狙うと良いですね。
・アタリが頻繫にあるハゼが元気な時は、アタリがあると直ぐに合わせましょう。
・逆に食いが渋いときは、アタリがあると一呼吸おいてから合わせると掛かりやすくなりますよ。
・ハゼは何度もエサを食べに動くので、アタリがあった場所では少し粘ってみましょう。
ウキ釣り
・ウキ釣りは、文字通りウキが色々な事に対しての目印となります。
・仕掛けの現在位置の把握。
・狙いのポイントに仕掛けを投入しやすい。
・ウキの動きでアタリを察知出来る。
・ウキがツンツンと上下する。
・ウキがスイ~ッと移動する。
・ウキが一気に水中に引き込まれる。
ウキにアタリの反応があると、竿先をクイッとしゃくり上げると合わせる事が出来、ハゼをハリに掛け釣り上げられます。
風が強く、ウキが流されて仕掛けがポイントから外れてしまう時は、オモリを少し重くしてウキを1~2㎝位水中に沈ませると良いですよ。
初心者必見!海川釣り ハゼが釣れた後は?
釣れた後にする事は、何をさておき先ずはハリを魚から取り外すことですよね。
ハリを外すには、ハリをハリ先と逆方向に引き抜くと抜けます。
ハリを飲み込まれた時は、ハリ外しを使用すると直ぐに外せます。
ハリ外しは釣具店で買うことが出来ますよ。
さらに、ハゼ独特のハリの外し方があります。
ハゼのエラに親指と人差し指を差し込んでグッと押すと簡単に口を開くので、ハリを外しやすくなります。
初心者必見!海川釣り ハゼを持ち帰って調理
ハゼの調理でお勧めは、やはり天ぷらと唐揚げですね!
ある程度の大きさのものは天ぷらに、小型のものはワタを取って頭から丸ごと唐揚げにするといいですよ。
ハゼの天ぷらは、江戸前の天ぷらにも欠かせないと言われますからね。
小型のハゼの唐揚げは二度揚げすると頭から丸ごと食べられますよ。
ハゼの調理 天ぷら
・ボウルなどに入れて、塩もみしてヌメリと汚れを落とします。
・包丁などでウロコを落とします。
・包丁で頭を落とす。
・腹を裂き、はらわたを抜いて水でよく洗い流す。
・塩で下味をつける。
・天ぷら粉を付けて油で揚げる。
ハゼの調理 唐揚げ
・塩もみをする。
・ウロコを取る。
・小型のものは頭を落とさず、はらわたを抜く。
・塩で下味をつける。
・片栗粉をまぶして油で揚げる。
出来上がったら、自然の恵みに感謝しながら美味しくいただきましょう。
まとめ

今回は、ハゼ釣りについての解説でした。
いかがでしたでしょうか?
身近で手軽に出来る釣りとして初心者の方にも入ってゆきやすく、釣果も出やすいので、この釣りはお勧めです!
筆者も初めてハゼ釣りをした時は、本当に楽しかったです。
是非ともこの楽しみを皆さんにも感じて頂きたいとおもいます。
では、今回はここまでです。
失礼します。