今回初心者の方にお送りするのは、防波堤(波止)のチヌ釣りの中で、短竿を使ったフカセ釣りについて解説してゆきます。
フカセ釣りは、単純な仕掛けで釣るミャク釣りの一種で、広い意味で言うと、落とし込みや前打ちなどの釣り方は、このフカセ釣りの中の一種という事です。
つまり、落とし込みなどの釣り方の原型とも言える釣り方なんですね。
では、順番に見てゆきましょう。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 短竿フカセ釣り 概要

・フカセ釣り
フカセとは、糸をフケさせてエサをフワフワ漂わせるという意味です。
そして、フカセ釣りとは竿、糸、ハリ、ガン玉だけの単純な仕掛けで釣るミャク釣りの一種で、軽めのオモリを使ってフカセて釣る釣り方です。
したがって、落とし込みや前打ちなどの釣り方は、このフカセ釣りの中の1ジャンルなんですね。
・関東の防波堤(波止)
関東地方の防波堤(波止)は、全国的に見ても全般的に高さが低い様です。
よって、これを釣り場の条件として考えた時に、適した道具として伝統的に短竿が使用されてきました。
ここで言う短竿とは、だいたい3ⅿ以内の竿の事です。
ここから、短竿のフカセ釣りという呼ばれ方が定着した様です。
・東京湾の防波堤(波止)
東京湾内では、昔からこの短竿フカセ釣りが盛んに行なわれています。
主な攻略ポイントは大きく3つに分かれます。
・壁面の中層タナを狙うタナ釣り
・壁面の底を狙う底釣り
・沖めを狙う沖フカセ釣り
基本的には、上記の攻略ポイントを1本の短竿で、同じ仕掛けを使い釣ります。
これは、東京湾の防波堤(波止)は全体的に水深が浅めなので、潮の干満、海水の濁り具合、水温、堤防上の人手の多さなどの条件に対してチヌが敏感に反応して居付く場所を移してゆく為、その変化に対して柔軟に対応する為なんですね。
この様に、短竿のフカセ釣りは応用性に優れた釣り方なんです。
落とし込みや前打ち、超前などの釣り方は、それぞれの攻略範囲に特化した釣り方として、フカセ釣りから派生していった釣り方と言えますね。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 短竿フカセ釣り 準備

この釣り方は、チヌの習性を考えて生きエサを使って海中での動きや落ち方を利用する釣り方です。
その為、タックルをはじめとする道具は、上記を実践出来る様なシンプルで合理的なものを使いたいものです。
・タックル
竿は2.4~2.7ⅿの先調子。
特にタナ釣りでイガイをエサにする時は即アワセになるので、先調子で穂先は硬い方がアワセやすいですよ。
リールは、主に両軸リールが多く使われるみたいですが、スピニングリールでもいけるかと思います。
筆者はスピニングリール使ってますよ。
・ライン、ハリス
ラインは蛍光色のナイロン製3号を標準として使ってます。
視認性の良さは重要ですね。
ハリスはナイロン製1.5号を1ヒロを標準にしています。
ラインとハリスは20号位の小型ヨリモドシで結合です。
・ハリ、ガン玉
ハリはエサが貝の時とカニの時で使い分けます。
イガイの時は、伊勢尼10号、カニの時は海津13号を使用してます。
このハリの選択は、筆者が昔読んだ本の中で紹介されていたもので、当時から今も使ってます(笑)
ガン玉はB~6Bを状況によって使い分けてます。
柔らかくて、割れ目がきれいに中央にあるものを選んで使ってます。
ハリに直接付けハリオモリにします。
・その他の装備
フカセ釣りもチヌが居付く場所を求めて探り歩く釣りなので、とても能動的で攻めの釣りという感じがします。
それゆえに、必要なものは身に着けておくのが便が良いです。
玉網は背中に背負い、エサ箱やストリンガーはベルトに装着。
ハリ、オモリ、ハリス、ハサミなど仕掛け作りに必要な小物類はベストのポケットに入れておけば非常に便が良いですよ。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 短竿フカセ釣り エサ
そもそもチヌは何でも食うと言ってもいい位の雑食性の魚です。
各地方の伝統的に使われているエサなどを全国的に見ると、膨大な数のエサがあるのではないでしょうか。
その中で、チヌのフカセ釣りに使われるエサで代表的なものだけでもかなりの数です。
結論から先に言うと、筆者の場合は面倒臭がりなので、エサは完全にイガイ、カニ、フジツボに限定しています(笑)
エサ選びに関しては、種類の限定派と多岐にわたる派に分かれる様です。
ここでは、限定派の良く耳にする意見をご紹介しますね。
・エサ限定で迷いを無くす。
釣れない時、釣り人の心理として、エサが悪いのではないかと思えてくる。
そんな時は、他のエサの方が食うのではないかと、もやもやと考えてしまう。
・釣りを単純化させて、集中力をアップさせる。
初級者が釣行の度に多くの種類のエサを持って行くと、選択肢が多すぎて迷いや雑念が大きくなっ
てしまう。
手に余る程の選択肢はフカセ釣りをより複雑なものにしてしまい、そうなるとなおさら釣れなくな
る。
・釣果を出す上達への道
その時のシーズンや状況によって、チヌが一番食う可能性のあるエサに限定し、効率化を図る。
どうでしょうか?
筆者の場合は、ただ面倒くさいから限定しているだけの話なのですが、こうしてまとめて見ると、それなりにしっかりした意見なので、何だか自分が恥ずかしくなってしまいます(笑)
ただし、これはあくまでも一方から見た場合の意見なので、その旨ご理解下さい。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 短竿フカセ釣り 釣り方

防波堤(波止)のチヌのフカセ釣りの釣り方は3つの分かれます。 タナ釣り、底釣り、沖めのフカセ釣りです。 それぞれ見てゆきましょう。
・タナ釣りの有効な条件
朝夕のマズメ時。
堤防上の人が少ない時。
海が荒れている時。
満潮前後の潮が高い時。
潮に濁りが入った時。
この様な条件の時はタナ(中層)狙いが有効です。
条件が整っている時、チヌは壁面のイガイやフジツボが付着する層に浮いて来てエサを食べるのです。
・タナ釣りの基本
竿先を海面に向かい下げる。
狙いのタナにエサが届く長さのラインをあらかじめリールから出しておく。
エサをゆっくりと落とし込む。
エサは、落とし込む際に回転しない様に注意する。
・エサの落とし込み方
エサの落とし込み方は2つのやり方があります。
潮の流れや風を利用して潮上からエサを落とし込む流し込み釣り。
少し重めのオモリで、ポイントの上からダイレクトにエサを投入する落とし込み釣り。
・エサの違いによる落とし込み方
イガイを使う場合とカニを使う場合とでチヌの食い気を誘うエサの落とし込み方に違いがあります。
イガイの場合、真っ直ぐ下に落とす。
カニの場合、壁面スレスレをフワフワ漂わせる様に落とす。
・タナ釣り注意点
堤防上の移動は、足音に気を付けて壁面側を歩かない事。
海面側に身を乗り出さない事。
チヌは極めて人の気配に敏感なんです。
・底釣りの有効条件
潮が低い時。
水温が下がった時。
堤防上に人が多い時。
そもそも水深が浅い場所。
この様な条件下においてチヌは底に沈みます。
底釣りにおいての重要ポイントは、エサが底に着いたら、数秒後には竿を持ち上げ、仕掛けを持ち上げ、エサを躍らせます。
この動作を聞くと言います。
聞く事でチヌの食い気を誘うと共に気付かなかったアタリを合わせる事にもつながります。
・底釣りの注意点
底を狙う際にやりがちなのが、オモリの重さを重くする事です。
必要以上のオモリの重さは、確実にチヌの食いに影響が出ます。
オモリは標準的な重さで、ゆっくり落として底に到着するのを待ちましょう。
・沖めのフカセ釣りの有効条件
水深の浅い堤防での干潮時、潮が低くなった時。
堤防上に人が多い時。
この様な条件の時にチヌは壁面には寄らず、沖めのカケアガリや捨て石、根回りに移動します。
したがって、仕掛けを沖めに飛ばして釣る事になります。
・沖フカセの釣り方
沖フカセ釣りの特徴として、どうしても糸フケが出てしまいます。
なので、底釣り以上にアタリが分かりにくくなります。
基本は、聞く際でのアワセになります。
よって、聞く事が重要ポイントになりますね。
この釣り方で釣果を上げている釣り人は、良く聞く動作をやっている様な感じがします。
・沖フカセ釣り注意点
飛ばす為にオモリを重くすると、途端に根掛かり連発となってしまいます。
それと、オモリはやはり標準的な重さの方がチヌの食いが良いですね。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 短竿フカセ釣り ポイント選び

一般的に言われるチヌのポイントは、潮が流れる所、潮の流れに変化がある所です。
具体的には、堤防のケーソンの継ぎ目や角、凹凸した所、イガイの層の出っ張り、沖めのカケアガリ、根回り等々。
さりとて、こういう事は釣り人は皆さん常識として知っているので、人が常にいます。
チヌは人の気配に対して極端に警戒するので、典型的なポイントに人が多い時には、筆者はあえて人が居ない場所に行きます。
チヌ自体もその様な環境だと、他に散ってるのではと思います。
案外、何でもないところでアタリがくる事もありますよ。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 短竿フカセ釣り まとめ
今回は短竿を使ったチヌのフカセ釣りを解説しました。
いかがでしたでしょうか。
この釣りは、足を使った釣りで、積極性と集中力が勝負の釣りだと思います。
筆者は、どれだけ多くエサを落とし込んだかが釣果につながると思っています。
では、今回はここまでです。

