今回初心者の方にお送りするのは、防波堤(波止)でのチヌの前打ち釣りです。
防波堤(波止)での釣りでターゲットになる魚の中で、チヌは断トツで人気の対象魚であると思います。
比較的気軽に行ける様な釣り場で身近に楽しめ、掛かった時の引きの強さ、そして、釣り方にゲーム性があり、釣り上げたチヌは魚としての風格すら感じられるその魚体、等々。
人気の理由は数え切れない程ですね。
今回解説する前打ち釣りは、防波堤(波止)周りの捨て石や駆け上がりを探って攻める釣り方です。
防波堤(波止)の壁面を狙う落とし込み釣りから発展した釣り方なんですね。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 前打ち釣り シーズン

チヌの前打ち釣りは3月頃からのスタートですね。
まだ、この頃はチヌが壁面まで寄って来ている事が少なく、夏にはイガイでビッシリになる壁面もワカメなどの海藻類が付着して、落とし込み釣りでは狙いにくい条件が多い時期です。
とは言え、この時期は産卵の為浅場にやって来る乗っ込みと言われる時期で、壁面まで寄る事は少なくても、防波堤(波止)周りに接近して来る時期なのです。
そんな時期であるからこそ、この前打ち釣りが力を発揮する訳ですね。
6~8月は盛期に入ります。
特に6月~7月にかけては梅雨の影響で河川から濁りが入って来て、それがチヌを狙うのに絶好の条件になります。
梅雨が明けて7月~8月には水温も上がり食いの立つ時期になるので、釣り上げる機会も増えるかと思います。
この時期にたくさん釣って自信をつけたいですね!
9月~10月はシーズンも終盤に入り、落ちと言われる時期になります。
この時期は、徐々に北西の風が吹く日が増えて来て、海水の濁りも徐々に無くなり、澄んできます。
濁りが無くなると、壁面の落とし込みの方は徐々にアタリが遠のいて来るので、前打ち釣りが有利になって来ますね。
この時期のチヌは、冬に過ごす深場への移動に備えてエサをくいだめする荒食いシーズンなんですね。 駆け上がり付近にチヌは群れているので、前打ち釣りが有効な釣り方になる時期だと言えます。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 前打ち釣り 装備

前打ちはザックリ言うと、防波堤(波止)やテトラの上から足元から竿先下、少し先の捨て石周りや海底のカケアガリなどチヌのいそうなポイントに直接仕掛けを落とし込む釣り方です。
エサは常に海底に着けて、アタリは竿先とラインの動きで見極めます。
その様な釣り方に有利なタックルと道具を使います。
・タックル
竿は広い範囲を探るため、長めの5ⅿ前後が使いやすいです。
底の状態やチヌのアタリがわかりやすい先調子のものがお勧めです。
常に竿は手に持った状態での釣り方なので、持ち重りのしないものが良いですね。
リールは、落とし込み釣りと同じくフライフィッシング用やチヌ専用がお勧めです。
なぜ、ここでフライフィッシング用?
と思うかもですが、スプール径が大きいので、糸グセが付きにくく、糸ヨレが少ないからなんですね。
・ラインとハリス
ラインは、アタリをその動きで見る事が多いので、視認性の良い蛍光色のラインがおすすめです。
ハリスは比重の大きいフロロカーボンで、海中の捨て石周りを攻めるので、スレの傷に強いタイプが良いですね。
・ハリ
ハリは使うエサによって、そして釣り場によっての使い分けがお勧めです。
具体的には、カニ専用、貝専用、使うエサによって使い分け、テトラを攻める時には前打ち専用を使います。
前打ち専用ハリは、フトコロが広いのが特徴です。
ガン玉は、ハリに直接付け、ハリオモリにします。
カニの場合はカニ専用バリの軸の下部に付け、イガイの場合は貝専用バリの軸の上部に付け、前打ち専用バリは軸の下部に付けます。
・エサ
シーズン初期は、エビや虫類がいいですね。
盛期にはカニ、イガイが良くアタります。
盆頃からフジツボがアタる様になります。
落とし込み釣りと同じく時期によってエサを使い分けることがポイントですね。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 前打ち釣り 釣り方

前打ちは、捨て石周りや海底のカケアガリなどチヌのいそうなポイントを竿の届く範囲で広く探る釣りです。
エサは常に海底に着けて、竿先やラインの動きを注意深く見る集中力が必要です。
基本的な釣り方は、まず海に向かって投入した仕掛けが底に着いた時点で竿先から出ているラインにたるみが出ます。
この時に、少しリールを巻きたるみをなくします。
そして、竿を立てた状態で様子を見ます。
エサを底に着けてラインをしっかりと張る状態にする事を底を取るといいます。
最初、この釣り方の入門時はとにかく底を取るのが難しいです。
オモリが軽すぎて、今仕掛けが底にあるのか、海中を漂っているのか判断が出来ないのです。
筆者も最初そうでした。
そこで、初心者の方におすすめなのが、自分が底を取れていると判断出来る重さのオモリを使う事です。
やっていくうちに段々と感覚がつかめて来るので、徐々に軽いオモリにしてゆくのが良いかと思います。
・エサの移動と誘い
カニをエサにした場合、カニは底に着くと石にしがみつこうとします。
仕掛け投入後、糸フケを取ってから、竿の穂先を一旦海面側に下げてから、上へクンッと少し跳ね上げ、反動を利用してエサのカニを次の石や岩に移動させます。
この動作を繰り返してアタリを待ちます。
基本的には、アタリはエサが底にある時にある事がほとんどですが、盛期でチヌの食いが立っている様な時は、えさが落下中にアタリが来る事もありますよ。
チヌは動くものに興味を示して、目の前に落ちてきたものに飛びつく習性もありますからね。
・アタリの読み方とパターン
アタリの読み方は、主に竿の穂先で読み取る方法と糸フケで読み取る方法とあります。
まずは竿の穂先で読み取る方が最初は分かり易いかと思います。
アタリの来かたは、本当に色々あります。
その中で代表的なのは、一気に竿先が沈み込むアタリ、海中を落下してゆく仕掛けが途中で止まるアタリ、ラインが小刻みに揺れるアタリ、等々。
・時期と釣り場でのポイントの違い
狙いのポイントは、シーズン初期、終期、盛期で違い、また防波堤(波止)本体とテトラ部でも違いがあります。
初期はチヌがまだ壁面に寄りきれてなく、終期はチヌが壁面から離れてゆくので、初期、終期共に沖方向のカケアガリや捨て石周りがポイントになります。
盛期では、あらゆる場所でアタリが来るので、少しでも海水に濁りがあれば、足元から沖方向のカケアガリや捨て石まで広範囲がポイントです。
テトラ部のポイントは、シーズン初期は沖めのテトラの底が狙いです。
不規則にならぶ沖めのテトラが良いですね。
盛期は、波が少なく潮が澄んでいる時はテトラの穴が狙いです。
波があり濁りがある時は、テトラの際が狙い目ですよ。
初心者必見!海川釣り 防波堤(波止)のチヌ 前打ち釣り まとめ

今回は防波堤(波止)でのチヌの前打ち釣りの解説でした。
いかがでしたでしょうか?
防波堤(波止)の壁面を狙う落とし込み釣りから派生してより広い範囲を探る釣り方でしたね。
昔、筆者も本を読んで知識を得ました。
その中で今でも印象に残って覚えている事は、アタリのあった時に迅速にアワセられる様に常にヒジを伸ばせというのがありました。
では、今回はここまでです。
次回もお楽しみに!

